むしめがね

生活のこと、旅のこと、人々のこと、考えたこと

モロッコ人

ロッコ人が好きだ。

大学二年生のとき、最初のゼミ論アイディア会議で「労働意欲や規範における国民性についてやろうかと」とのたまい、先生はおろか四年生の先輩からコテンパンにされて以来、国や地域を単位に何かを語るというのは、少なくとも自分にとっては、本当に難しいのだと、ことあるごとに(卒論や卒論や、卒論などで)思い知らされてきたわけだが、それでも思う。

 

この国で暮らす人々の人懐こさは、初めてここを訪れた者の想像を、きっと遥かに超える。

 

通りを歩き目があうと、10人に7人はニコッと笑いかけてくれる。電車で隣の席に座れば、赤の他人である私に片言の英語やフランス語で会話を試みてくれる昼ごはんのために持ってきた鶏肉のスパイス炒めとホブスを分けてくれたことさえある。ここのところ毎日大学の図書館に通っているが、パソコンを睨みつけていると、必ず誰かが話しかけてきてくれる。

 

ネットの海の中で、「モロッコは、インド・エジプトと合わせ、三大ウザい国である」と書かれているのを見たことがある。

 

私には、多分その記事の著者が「ウザい」と評したであろう、ロッコ人の感じが、たまらなく好きだ。

 

頭にくることも、もちろんある。でも、嫌いじゃない。むしろすごく好き。

 

アクセスの悪い資料を眉間にシワ寄せて集めていたら、ロッコ人の友達が「なおこ、げんき?いま取り組んでいることがうまく行って、幸せが訪れるといいね!」とふわふわした笑顔で話かけてくれて、つられて私も笑顔になった。それがすごく嬉しくて、突如あふれ出したモロッコの人々への愛を自覚したので、折角だから、ここに記しておこうと思う。